大 地

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梅沢空世の作品世界
日本美術には珍しいこの完全なヌードの明示は、梅沢空世〔1948年生まれ〕の解釈をヨーロッパ的、とりわけイタリアやフランス的といわしめる。この作家のヌード作品は二人の作家を思い起こされる。細かい人物像と現代の形に似つかわしく詳細を少ししか使わない特徴を持つモジリアーニと、主たる野獣主義者で永遠の快楽主義者、ジョワ・ド・ウィウレの愛好者であるマチスである。
梅沢空世は、この形式的で図像学的とされる知識と共に、女性ヌードへの彼独特の見解によって美術への貢献を行っている。何よりも、下絵書きをし、簡素化された最小限の色調を持った体は穏やかな塑像の感覚を生み出す。理論的に言えば、彼の作品は地味な色が優勢で、どんな段階の陰影もみられない。線の力が色の豊かさよりも優先されている。彼の引く線は継続性があり、実際に夜を模倣する背景の輪郭を描く。また、その線は通常花模様の布によって表されるような、そしてここでは彼女の感覚と美を祝福して夢見心地で横たわる少女の体の置かれている動かない表面の輪郭を描く。では、この体がどのように描かれているのかをみてみよう。そこには体中に線のデフォルメがみられ、それが最終的な効果を多様化し、また強化している。この絵全体の力を強調する線の連続は避け難いほど色を伴っている。梅沢空世は、材質感を獲得し、またほうろう細工のような外観を出す油絵を製作している。彼の筆の運びは、その絵の特定の部分において、常に上から下に動かされている。彼のこの作品「大地(1995)」においてもその青暗い空がそのような手法で描かれている。そこには真珠のように白い不思議な円によってひとつの空間が開かれており、彼のいくつかの作品の基本を形成している女性の肌や体の複雑な曲線と対比している。同一の垂直の筆の線のあつまりが塑像的に見られ、それが横たわるヌードを支えている。この作家が既存の色使いの手続きを踏んでいないことが我々に見てとれる。それゆえ、梅沢空世はそのスタイルに独自性が窺える画家である。
しかしまた、彼は自身の持つ外国からの影響も隠さない。これらの影響は彼のインスピレーションとなり、作品をより豊かなものとし、東洋と西洋のスタイルが完全に統合した独自のスタイルを生み出す助けとなっている。
マリア・ドローレス・アロージョ・フェルナンデス

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